珍品!?チェコ製帝国陸軍試作戦闘機『キ-64』制作記 その2
2009 3/22(日)
このキットのプロペラ部分は前部ペラ2パーツ、後部ペラ2パーツの計4つのパーツから成り立ってします。前後ペラともスピンナーからオリジナルのプロペラを切り取り、部品センターにはモーターから来るシャフトを銜えるビニールパイプ(水色の)を、3枚のプロペラブレード用に真鍮パイプを埋め込みます。
何ゆえこんな面倒なことをするか・・・コントラペラのギミックの構造上、最後の最後にプロペラ部分を挿し込むのは危険があるため、つまりペラ部分をモーターから来ているシャフトにグイッと押しこむことにより(しかも2つも!)、せっかく微妙に調整された各ギアの相関関係が崩れる恐れがあるので、(簡単に言うと壊れてしまう)胴体を左右貼り合せる時にペラ部分も挿し込んでしまいたい。それならギミックがおかしくなっても後戻りがラクだ。・・・・が、その後の作業をするのに、細長いペラのブレードが6本もついていると非常に邪魔だと言う訳で、ペラ基部のみ先に挿し込んでしまい、全ての作業が終ったあとにブレードのみ挿し込めばよろしいという結論に達したからです。
・・・説明が長くなりました。パイプを挿入してエポキシ接着剤で固定し2つずつある部品を1つに接着し、不恰好なところやゆがんだ形状を(元の部品のゆがみが激しい激しい)エポパテで修正しました。左の写真です。ブレードは百式司偵から持ってきたものです。
さて、・・・ここまで作業が進むと誰でもが思うこと。それは『試運転』。
うっ!危険な誘惑。
莫大な期待と一抹の危惧の念を抱きながら、とりあえずはブレードを挿し込んでみます。この作業は最後に行う作業のシミュレーションも兼ねています。
挿し込みました。オオッ!なんかかっこいいというかまがまがしいというか・・・とりあえずここまでは問題なしです。
同じ部品を使っていても挿し込んでみると、スカスカにゆるいものと、グッと押しこまねばならぬほどキツいものがあります。キツいものはまあ問題ないのですが、ユルいものはモーターを回すと飛んでいってしまうかもしれません。なにか箱かなんかの中で実験した方がいいかとも思ったのですが、それも面倒なので、リード線を繋いで、ポチッとな。
回った!!と思った瞬間、ブレードが手裏剣のように飛び散りました。これは大笑い。お約束通りです。狼狽しながらごちゃごちゃな作業机に飛び散ったブレードを拾い集めました。幸い全て揃っています。抜けた物には、先端にごく少量の瞬間をつけて仮り付けして再び通電。
今度は写真のようにうまく回りました。反転しているかどうかは見た目では分からないのが残念ではあります。
一応コントラペラのギミックは成功の見込みが出てきたので、機体の組み立てかかります。まずは・・・・白い機体に白いパイプを差し込んでいるので見にくいかもしれないのですが、実機で言うところの後部エンジンの排気管です。キットのモールドでは全然だめなので、綿棒の柄の部分を切って、機体に穴をあけ埋め込みました。これから先、こんなような作業が続くかと思うと少々うんざりします。いつになったら完成するのか・・・
風防周辺は、左右の部品で厚さが違う(!)ので、厚い方を削って揃えます。実は、最近近所のイベントホールで倒産品だかバッタ物だかの物産展があり、デジタルノギスを金1,500円にて購入し(ちょっと自慢)、これが役に立ちました。まあ目見当でも充分なのですが、ここのみ0.1mm単位までこだわってみました。(無意味)
さらに、写真上のようにバリとダルダルモールドでなんかよくわからない状態になっているので、デザインナイフでガリガリ削って整形。
2009 3/26(木)
細い胴体へコントラペラのギミックを挿入します。大雑把に胴体の形にしてあったギミックのシャーシなのですが、実際に胴体部に入れこんで胴体左右を併せると当然のように合いません。つまりはシャーシが大きいちゅうことなのですが、シャーシ上に乗ったギアなどのサイズを考えると、これ以上小さく出来ない。となると胴体内部を削るしかない。幸い、このキット異常に肉厚。内臓脂肪を落しましょう。とばかりにルーターを使ってどんどん削っていきます。
特にクラウンギアに抵抗がかかると間違いなく回らなくなってしまうので、この部分を念入りに掘削していたのですが、削り過ぎてついに貫通してしまいました。周章したのですが、こんなものはパテで直してしまえばいいのでとりあえずこのままにして掘削続行。結構な苦労の後、ようやくボディーの左右が合う、つまり胴体内にギミックを入れこむ事に成功しました。
通電すると、ギャロンギャロンと景気いい音と共にうまく回ってくれました。一安心。
2009 3/29(日)
ともあれギミック関係が一段落したのでコクピット回りをやっつけます。実はこのキットの箱をあけた瞬間から危惧していたこと。それが写真のキャノピーです。これ、バキューム成形でしょうか。こいつをハサミで切り出さないといけません。万一間違って切ってはならないところを切ってしまった場合、修正は不可能です。替わりのパーツをメーカーに発注しようにもあいてはチェコ人です。ちぇこは東京に空がないという。それは千恵子。・・・度胸を決めてチョキチョキ。ひやひやモノだったのですが、なんとか失敗なしに切り終えました。