前へ
次へ
『キ-64異聞』 表紙にもどる
 帝都防空戦闘機隊の要、飛行第000戦隊の○○戦隊長は、本土決戦に伴う航空兵力温存のための出撃禁止命令を犯して、訓練中の不意の遭遇と称して敵機迎撃に上がり大きな戦果をあげた。軍規を乱すこの行為は大問題となったが、陛下より御嘉賞のお言葉が下され、無断出撃は不問に付された。以後さすがの戦隊長も終戦まで部隊としての出撃の機会は訪れなかった。飛行禁止令から終戦までの戦隊長○○少佐の行動は謎に包まれているが、一説では新兵器の実験に携わっていたと言われている。戦後は創設間もない航空自衛隊入りし空将の地位まで昇りつめた。

●非凡社「昭和の群像・太平洋戦争」より