たまには水物・・・軽巡川内を作る その3
2010 3/20(土)
いきなり『丸スペシャル・軽巡川内型』から転載させていただきます。
前檣および艦橋の変遷です。左から昭和4年時、昭和14年時、昭和15年時となっております。昭和4年時と14年時では、艦橋には大きな変化がありますが、前檣の形状はほぼ同じです。がしかし14年時から15年時になると前檣に明らかな変化があります。構造物がだいぶ少なくなっている。
夜偵が導入されたのは昭和14年頃ということになっているので、旧型の前檣と新型の艦橋の組み合わせの川内に九八式夜偵を乗っけても問題ないわけで・・・なにをくどくどとほざいているかというと、昭和15年以降の前檣の形状にしようとすると、この部分もフルスクラッチとなってしまい、ちょっとこれはめんどうだな〜と思っていたらこんな逃げ道があってラッキーということなのでした。
ちなみに川内の搭載機の変遷なのですが、昭和13年に九六式水偵1機、14年以降は九八式水偵1機というのが定数だったらしいのですが、状況に応じて九五式水偵だったり、九四式二号水偵だったりすることもあったと丸スペシャルに秋本実氏が書いています。まあつまり大改装以後の川内には、なにを載せてもOKだったってことか。違うか。違いますね。
2010 3/23(月)
そんな訳でキットのままどんどん組み立てます。前檣最上部の構造物と、写真には映っていないけど探照灯の乗っけてあるところにはエッチングで手摺り、窓枠をあしらってあります。
で、マストヤード間に飛行機模型製作でおなじみのパンストで張り線をしようと考えたわけです。パンストだと少量の瞬間接着剤で済むし、第一細さが自由に加減できます。しかし結構なテンションがかかるため、真鍮線に置き換えた方が無難かなと既存のヤードは切り落とし、マストに穴をぐりぐり開け真鍮線を差しこみました。
苦節数時間、とりあえずこのくらい張っとけばいいだろ、どうせハッタリだし。張り線だけに・・・と思い作業をやめて、つらつら出来を確認してみました。・・・・・・・・ゆがんでます。・・・明らかに向かって右に傾いています。パンストのテンションが左右均一でないために右に引っ張られているのでしょう。焦りまくってマストのてっぺんを指で左側に押します。少し傾きがなおりました。更に押します。ボキッ!いやそんな音はしません。指に伝わった感触、もしくはマストの叫びでしょう。見事に真鍮線に交換したマストヤードの部分で折れてしまいました。
ここから折れた
2010 3/26(金)
折れてしまったものはもう直しようがないので、ここは真鍮線で作り変えます。0.8mmの真鍮線に目立てヤスリで溝を彫り、そこにマストヤードに見たてた真鍮線を十字に置き、ごくちょびっとのハンダでハンダ付けします。ここまで念入りに作れば今度は折れまい。
しかして、上部ばかり丈夫にしても(おお、意図せざる親父ギャグ)どうせまた折れてしまうので、後方に伸びた支柱2本も真鍮線に置き換えてしまいます。その状態で先の艦橋と組んでみると、羅針艦橋の屋根と探照灯の置いてあるところの位置関係を見ると、どうもマストの高さが2mmほど低い・・・感じがする。試しに丸スペシャルの川内側面図からあたると、キットオリジナルはやはり2mmほど低いような・・・なので、真中の主脚も途中でちょん切って真鍮パイプに置き換え、少し高さを増やしました。
さてパンストで張り線をして、またもやつらつら眺めて見ました。なんか、オリジナル部品半分、新造部品半分という眺めは、さながらロボコップ(古い?)もしくは草薙素子(マニアック?)という奇観を呈しています。こんなことばかりしてるから、ちっとも完成しませんなあ。
2010 3/28(日)
艦橋横に左右二つある測距儀。羅針艦橋のすぐ下のスペースに置いてみたのですが、乏しい資料を調べるとどうも場所がおかしい。とはいえ、手持ちの丸スペシャルでは写真が不鮮明。ネット上での作例は人によって場所が違うという困った状態だったので、とりあえず現状より撤去し、ここかな〜という所にスポンソン(このような専門用語も覚えました)ごとこしらえてみました。測距儀はプラパイプで、ブルワークはプラ板ではきれいなアールがでないので、缶ビールのアルミ板を使ってみたのですが、どないでしょう。
で、ここに置いてみました。それにしても軽巡洋艦の古いやつ(4本煙突の)は艦歴が長いので時代に応じてどんどん変化しています。おまけに敗戦国の悲しさ、資料、写真がほとんど残っていないため「このカタチが決定版だからそれ以外はぜーんぶ間違い。ダメなものはダメ」とはなんぴとも言えないわけで、私のような適当な模型作りを旨とするものにはとってもパスカルいや助かる。
時に、アルミ板を使った缶ビールはオリオンでした。別になんでもいいのですが、このオリオンビール、なんか昔のビールの味がしてとても気に入りました。普段あまりビールは飲まないのですが、これは美味しいと思いました。(何の話だ)
仮組みしてみました。このページトップにある丸スペシャルからの剽窃写真と比べて見ると・・・なかなかよろしい。新型艦橋と旧型マストがうまく組み合わさりました。ところで、羅針艦橋の上の測距儀、WLの共通パーツから持ってきたやけにでかいやつを付けておいたのですが、ちょうどいいサイズのものを不用パーツから発見してしまいました。これは取り替えなければと、細心の注意を払いつつ、着けてあった大きいのをもぎ取ろうとしたのですが・・・もぎとるという荒技を選択した時点でもう細心の注意は払っていない気もしますが・・・羅針艦橋の天蓋ごと取れてしまいました。
いや焦ったあせった。艦橋はもう船体にエポキシ接着剤でキッチリ接着してあるしちょうどエッチング窓枠の部分だし、で修正作業がめちゃめちゃ大変でした。
手探り状態で制作しているので次々に試練が訪れます。それが楽しいのか苦しいのか解らない所がプラモの奥深いところではあります。
この部品です
ここから
上がもげた