珍品!?チェコ製帝国陸軍試作戦闘機『キ-64』制作記 その7
やむをえず、キャノピーを自作します。まずは型をどうするか。簡単なのはキット付属のキャノピーにエポパテを詰めて型を取るのがもっとも簡単なのですが、このキャノピー、柔らかくてベコベコです。ギシギシ押しこもうとすると壊れてしまいそうなので断念。
というわけでいよいよ木型を作ります。色々調べるとバルサ材が加工しやすいという訳で、近所のホームセンターで金700円にて3cm厚の板バルサを購入してきました。これだけの量があれば一生困らないでしょう。が、削り始めてすぐに断念しました。柔らかすぎて思ったように削れない。例えていうならカステラを自分の思った形に切り出そうとしている感じでしょうか。・・・さっそく問題勃発でやめようかとも思ったのですが・・・
たまたま近くにあった角材がちょうどキャノピーの大きさに合いそうなので、「物は試し」と削ってみると、硬さが丁度いい。これでいくことにします。キットのキャノピーから適当に採寸し、ペンで下書きしてカッターで大まかに削りだし、数種類の粗めの棒ヤスリでカタチをだし、各種ペーパーで現物に近づけて行きます。
などと書くと大変な作業のようなのですが、3時間もあれば写真の状態になります。
本来なら木型はキャノピーの形そのもので作り、コクピットに載せて調整していけば後々苦労しなくても済むのですが、なにしろ行き当たりばったりな作業が信条の当情況劇場、コクピットにはもうパイロットが乗っています。しかたがないので適当なところで木型のカタチ出しは終了し、すその部分はしぼった物をカットするときに調整するという問題先延ばし状態で、木型に脚を埋めこみます。
この状態でお惣菜パックを使ってしぼって見ると結構うまくいけました。しかし光にかざしてみるとうっすらと木目が見えます。この木(何の木かは分かりません)は目がつんでいるので、このまま行けると思ったのですが。そんな場合、瞬間接着剤をぬりぬりして磨けばよいとのこと。せっかくだから刷毛付きの瞬間接着剤をダイソーで購い、表面をツルピカに仕上げました。ここまで、気味がわるいほど順調に目論見が達成されています。好事魔多しという言葉もあるのですが・・・さあしぼるぞ!
いずれこんな日が来るだろうと、昨年バザーで300円也で購入した電熱線コンロがついに日の目を見ました。今までジッポーライターであぶっていたのですが、今回は、広い面積を均一に炙らなければならないのでこれは便利です。
しぼる材料はダイソーで購入したクリアケース。材質は塩ビのようです。ネットで調べると塩ビ、プラ板、さらにはペットボトルなどでキャノピーを作るようなのですが、どれも一長一短。塩ビの長所はかなり炙っても溶けたり知人ダリ・・・知人にダリはいないのですが・・・どんな誤変換だよ・・・縮んだりしない。一方短所は、物によっては白濁する。といった所でしょうか。うまい具合に、このクリアケースは炙っても白濁しないようなのでOK!
やけどをしないように軍手を装着し、存分に炙り、板がくにゃっとして来たところで木型に押しつけます。ご覧のとおりナイスなしぼり状態です。軍手が異常に汚いのはご愛嬌。なかなかうまくいきました。・・・ところが!!こいつを機体に接合させるためにはすそ部分を切り取らなければなりません。しかし、前述のようにすそ部分を切ろうにも形状がわかりません。キット付属のキャノピーを見ながら大体の形状をペンで描いて、エイヤッとばかりに切り取って機体に乗せると・・・これが合わない。切り過ぎてしまい、片側が浮いしまいました。
これはいかんと、再びしぼって切り出して・・・という作業を幾度となく繰り返しているうちに、これは一発でどんぴしゃに切り出すのは不可能だと思わざるを得なくなりました。幸い、実際のキャノピーは3分割されています。なので、写真のように遮風板(第一風防ですか)とスライド部分は一体で、一番後ろの部分は別にしぼったものを使うということで解決を図ります。これならだいぶ合わせるのが楽になります。
ごらんの通り透明度が高くて厚い丈夫なキャノピーが出来ました。
当然木型には窓枠のモールドがなく、この状態ではマスキングができません。なので、細切りマスキングテープで窓枠の『あたり』を貼りこみ、これに沿ってマスキングをしていきます。第一風防と第二風防の境目はエッチングノコで一応スジを彫っておきます。
ちまちまと細切りマスキングテープでマスキングが完了したら、そいつをバラバラにならないように剥がし、それを元にそれぞれのガラス1枚ごとに1枚のマスキングテープを作り、貼りこみます。その方がスマートでしょ。2度手間だけど。
マスキングが終ったのでいよいよ、エポキシ接着剤で本体に取りつけ、固着したらパテとサンドペーパーで整形していきます。これも結構神経を使う作業なのですが、例によってここでの手抜きは仕上がりにダイレクトに係ってくるので手が抜けません。盛っては削り盛っては削り・・・・
キャノピーをオリジナルで作った理由の一つに、アンテナ支柱と引き込み線の穴を開けなければならないということがありました。どちらも失敗したら取り返しがつきません。しかし、複製ならいくらでも失敗できます。・・・が幸い1回でうまくいきました。リラックスして作業すれば、んなもんチョロいのですが・・・1つしかないとなるとどうしても緊張してしまいます。