朝6時26分、ヴィエンチャンを発つ。南方特有の不安定な気流を縫って一路カルカッタヘ。午前11時4分カルカッタのダムダム空港に着陸。
ダムダム空港では、大問題が惹起した。900mはあると聞かされていた滑走路が、実は 700mしかないことが判明。燃料を満載した神風号にとっては短すぎる距離である。さらに長く伸びた草が、機速を鈍らせる。急遽燃料をぎりぎりまで減らし、午後12時5分離陸。飛行場端の椰子の木に衝突しそうになるが、間一髪機を傾け、無事やりすごす。全行程の中でもっとも危険な一瞬であった。
午後0時5分離陸。インド大陸を横断しカラチ「ドライロード飛行場」を目指す。途中、ジョードプルで燃料補給を受け、日没までにドライロード飛行場に到着。出迎えた在留邦人に挨拶をしようとした飯沼飛行士だが、極度の疲労のため呂律が回らなかったという。
機体の方も未曾有の長距離飛行と、過酷な気象条件による故障がないかと、塚越機関士は念入りに点検を行う。