イタリア空軍の好意により補給を30分で済ませた神風号は、いよいよ最後の補給地、パリを目指す。右手に壮大なアルプス山脈を目の当たりにした2邦人の気持ちは如何ばかりであったろうか。特に北アルプスの麓の村で生まれ育った飯沼飛行士の感慨は、ひとしおだったに違いない。 現地時間午後2時34分、パリ郊外のル・ブルージェ飛行場に到着。各界の名士、在留邦人、著名な飛行家などの大歓迎を受ける両人。そして神風号は黒山の大群衆の見守る中、ついに最終目的地英国ロンドンに向けて離陸する。
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